私たちの山口地区は、西宮市の北西部に位置し、北には北摂、南は六甲山系を見ることができます。「さくらやまなみバス」に乗って西宮北有料道路のトンネルを北に抜けると、そこは南部とは趣が異なる「西宮山口」の入り口です。
面積は西宮市全体の約4分の1を占める一方、人口では市全体の4%弱の約1万8千人です。
農林業を営む私たちの先人たちが守り育てた豊かな自然が今も多く残されており、春はサクラやツツジで色づき、初夏にはホタルの飛び交う夜景、秋の紅葉、冬には一面の銀世界など、四季折々の色彩の変化を楽しむことができます。
一方、歴史的には、大化3年(西暦647年)に孝徳天皇が有馬温泉に行幸(ぎょうこう)された際に、この地に行在(あんざい)されたという記録もあり、有馬温泉と大阪、丹波、播磨をつなぐ街道の要所として、古くから集落が形成され発展してきました。
山口には今も、道標を兼ねた石造物が多く点在し、往時をしのぶことができます。
明治22年に、名来、下山口、上山口、中野、船坂の5村が合併し、有馬郡山口村が誕生します。その後、昭和26年には西宮市と合併し、「北六甲台」や「すみれ台」という新たな町が加わり現在の山口地区となりました。
昭和50年代に中国自動車道が開通し、西宮北インターが設置されたことで物資の流通に適した環境が整い、市内はもとより県内でも有数の流通業務団地が誕生しました。また、平成3年には西宮北有料道路が開通。その後、阪神高速北神戸線も開通し、地区内には西宮山口南、西宮山口東の出入口が設置され、西宮山口ジャンクションで中国自動車道と繋がりました。さらに、平成21年4月に、西宮の南北を結ぶ「さくらやまなみバス」も運行を開始しました。
私たちの山口地区は、歴史のまちであると同時に、自動車交通の要としての性格も併せ持つ、自然の魅力にあふれた住宅地に変貌しつつあります。