山口町を拠点に活動するミュージカル劇団『希望』のメンバー、そして『希望』の代表である髙井良純氏が率いる日本ミュージカル研究会と劇団JMA、但馬ミュージカル研究会が出演する古代ミュージカルロマン「天日槍物語(あめのひぼこものがたり)」が9月28日(土)午後12時半と午後5時の2回上演されます。場所は西宮北口の兵庫県立芸術文化センター阪急中ホールです。1994年の初演以来10回以上も再演を重ねている人気オリジナルナンバーです。
【あらすじ】
四世紀半ばの物語。新羅(しらぎ)の王子、天日槍(アメノヒボコ)は遠く海を隔てた見知らぬ国に夢を求めて旅立つ。大嵐の中、船は難破し、ようやく但馬の海岸に辿りついた。疲れ果てたヒボコを村長のフトミミは手厚く看病し迎え入れる。ヒボコはまるで男の子のように振る舞うフトミミの娘マタオを知る。
村は、嵐の度に川が氾濫し、家や田畑を流され困っていた。「何とかしなければ」治水は村人たちの切なる願いであった。ヒボコは「これは大変な難工事だが、皆で力を合わせれば必ず成功する」と考えた。しかし、この工事には強い鉄、硬い鉄が必要なのだ。当時、わが国には硬い鉄を作る技術はまだ無かった。「まず、鉄を作ることだ」ヒボコはマタオの協力で我が国最初の製鉄を始める。そして、その炎は但馬の空を染め、まさに日本のハイテクの夜明けでもあった。
鉄で作った鍬や斧は驚異的な力を発揮する。山を壊し岩を砕き、但馬が大きな変化を遂げ世の中が変わっていく。豊かな国造りを夢見るヒボコとマタオの情熱と愛もまた、鉄の炎のように力強く燃え上がってゆく・・・。
多くの試練を乗り越え大きく成長していくヒボコと彼を助けてその愛に女性らしい優しさを備えてゆくマタオの姿を感動的に描く。
稽古風景