船坂川沿いに残る廃鉱跡
旧国道176号を宝塚に向かい、有馬病院前のバス停を越え、七合橋付近から船坂川を下っていくと大きな口を開けた洞窟があります。
小学生の頃、1時間近く掛けて、その洞窟に遊びに出かけたものです。
恐る恐る洞窟の中に入り、手のひらに乗るほどの小さなコウモリを捕まえて、マッチ箱に入れて持ち帰り、同級生に自慢げに見せびらかせたことが懐かしく思い出されます。
その洞窟が高丸鉱山の廃鉱跡と知ったのはずっと後のことでした。
山口町にはこの高丸鉱山以外に船坂鉱山や畑山鉱山があり、銀や銅を採掘していたそうです。しかし、含有量が低く、採算が合わないなどの理由から明治の終わりにはすべて廃鉱となりました。
その後、高丸鉱山はあるゴルフ倶楽部の所有地となりましたが、昔の姿そのままに今も船坂川沿いにひっそりとたたずんでいます。
【宮っ子(山口版)やまぐち異聞録より】