哀れにも、芋畑になった運動場
・・・・旧船坂小学校(現 船坂里山学校)
運動場のほとんどがさつまいも畑。点々と見える小さな姿は芋の苗を手入れする小学生たちです。
胸が痛くなるこの風景は、戦争もたけなわの昭和19(1944)年5月の旧船坂小学校(平成22年に廃校)です。食糧難から政府の命令で運動場が畑に変わりました。
船坂小でも当時の大澤治三郎校長が率先して、つるはしで固い岩盤の運動場を開墾。さつまいもを植えました。学年ごとに一畝ずつ、手入れしていました。
当時の教諭だった野口晶子さん(92)=船坂=は「子どもたちは畑仕事で勉強ができず、かわいそうでした。収穫したさつまいもは、芋がゆにして、みんなで食べました」とお話ししていました。
【宮っ子(山口版)2015.11・12月号やまぐち異聞録より】