山口・船坂校区青少年愛護協議会会長 本田三延(ホンダミツノブ) さんは、長年のホタルの観察などの地域活動が評価され、平成25年3月に西宮市まちづくり賞を受賞されました。 本田さんに西宮山口のホタルと自然保護への熱い思いを語っていただきました。
☆このままではあかん
本田さんと西宮山口のホタルとのお付き合いは、幼少時に遡りますが、現在のようにシーズン中に毎晩観測に行くようになったのは、予想もしない出来事からです。
平成2年(1990年)ごろのことです。地元山口の方が、毎朝放送されているラジオの人気番組に、都会の近くでホタルが観賞できるスポットとして山口のホタル情報を流したところ、たくさんの自動車が押し寄せ、有馬川沿いには違法駐車の列ができ、網を持ってホタルを捕ろうとする人たちが有馬川に入り込み、観賞とは程遠い状況となりました。
本田さんは、こんな状況を見て、なんとかしてホタルを守らないと、このままでは山口のホタルはすぐにいなくなると強く思いました。
平成7年(1995年)に、本田さんは「山口・船坂校区青少年愛護協会会長」に就任されました。 そしてこの翌年には、有馬川緑道の整備が完了することとなります。 そうなると、ますますホタルを求めてたくさんの人がやってきます。
☆本田三延⇒動く
平成8年から、本田さんの具体的な活動が始まりました。
まず地域の学校園にホタルの保護を呼びかけました。 朝の朝礼の時間などに、先生方から生徒にお話をしていただきます。 5月25日から7月5日までの間は、有馬川緑道の水銀灯を消灯し、ホタルの繁殖環境を整えます。 川床の除草作業の時期をホタルの飛ばない8月以降にしてもらう。
☆20年間毎夜観測!今年もやるぞ!
十王堂橋から明治橋でホタルの発生数を記録。 ホタルシーズン中の本田さんは忙しい。 毎夜、日暮れとともに観測が始まり約2時間に及ぶ。
今年も5月連休明けから夜間の観測が始まります。 この活動は今年で22年目になるが、毎年、最初の一週間は重い長靴で歩き回ることもあって足が痛くなる。 調査範囲は、昨年から新明治橋から青石橋に拡大し、船坂川を調査の対象に加えた。
☆子供たちが大人を変えた
平成9年からは、山口小学校・船坂小学校児童によるポスターが地域で掲示される運動が開始されました。 その後北六甲小学校も加わり、 この運動が功を奏して、ホタルを網で捕るような行動は減少しました。 子供たちの活動が大人たちの行動まで変えていきました。
☆同じ平成9年に「ホタルウオークラリー」が始まりました。
ホタルウオークラリーは 毎年6月初旬に開催され、 山口中央公園に集合し、ホタルや自然環境について学習した後、午後8時出発。 有馬緑道から阪神高速中野高架橋まで、約2キロの道をホタルを観察しながら歩きます。
毎年参加者が増え、平成12年(2000年)からは、たくさんの人たちにホタルを見ていただけるよう「山口ホタルまっぷ」を作成しています。 また平成24年からは、山口センター総合受付前に日々のホタル発生状況を等身大の地図上に表示するようにしました。
☆本田さんはどこでも出かけます
そのほか、ホタルの保護活動に繋がるなら、本田さんはどこにでも出かけていきます。 山口小学校、北六甲台小学校、生瀬小学校、名塩小学校、東山台小学校、神原小学校などの「総合の学習」の場で、宮水学園、自治会で、公民館で、阪急西宮ガーデンで・・・・などなど。
ホタルは、西宮山口の四季を彩る風物詩の一つです。 さくらやまなみバスに乗ってわたしたちのまち、西宮山口においで下さい。
(さくらやまなみバスの詳しいことは⇒こちら)
ホタルを捕まえないで。ホタルの寿命は短いです。自然の中で鑑賞しましょう。
懐中電灯をホタルに向けることや、カメラのフラッシュはやめましょう。
道路に駐車したり、大声を出したりすることはやめましょう。