江戸時代、盛んであった浄瑠璃
山口地域に残る三太夫の墓碑
江戸時代の娯楽といえば祭りや盆踊りなどに加えて、浄瑠璃があります。浄瑠璃は三味線を伴奏楽器として太夫が物語を語る音曲・劇場音楽で、近くでは淡路島の人形浄瑠璃が有名です。
当時、山口地域でも浄瑠璃が盛んに行われたようで、古い家には浄瑠璃本が残されていたり、昭和に入ってからも上山口のある商店の座敷で浄瑠璃が演じられたことがあったようです。
浄瑠璃には太夫がつきもので、竹本義太夫が有名ですが山口地域には竹本の名の付く、石像遺物が今も3カ所残っています。
一つ目は上山口に残る「竹本加治太夫」で、二つ目は銭塚地蔵の横に鎮座する「竹本増太夫」、そして三つ目は名来字上平尻の笹の中に鎮座する「竹本多賀太夫」のそれぞれの石像遺物です。
これらの石像遺物はすべて江戸時代に建立されたもので、山口地域は江戸時代に浄瑠璃が盛んであったと伺い知ることができます。
【宮っ子(山口版)やまぐち異聞録より】